ニッケル水素電池使用上の注意点
☆フル充電した電池でも長期間放置すると自己放電で消耗する。
☆使用した電池はそのまま保存し、使用前に充電する方が良い。
☆電池の両端は乾いた布で磨き汚れを取ろう。
☆10回に1度は電池を十分に使いきってから充電しよう。
☆電池は最後まで同じペア−で使おう。
☆高性能な充電器、放電機能付充電器を使おう。
電池の大きさや種類
電池の大きさ(単1、単2、単3、単4)
電池の大きさを示す。単1の方が単2よりサイズが大きい。
大きな電池ほど電池容量は多いが重いので、デジタルカメラには単3を2個、又は4個入れるものが多い。
電池の種類
マンガン電池
容量が少なくデジタルカメラ使用は不向き。
再充電は出来ない。
アルカリ電池
マンガンより高容量だが、アルカリ電池は小電流を長く使う器具に向いている電池。
デジタルカメラは瞬間的に大電流を必要とするのですぐに電池切れとなり向いていない。
再充電は出来ない。
ニッケルカドミニュウム(ニッカド)電池
ニッケル水素以前から発売されていた充電可能な電池。
電池容量はニッケル水素より少なくデジタルカメラにはほとんど使われない。
充電回数は約500回程度。
ニッケル水素電池
電極にニッケル水素を使った充電可能な電池。
瞬間的な大電流を取り出しやすく、デジタルカメラには最適。
繰り返し充電して使えるので経済的。
充電回数は約500回程度。
ニッケル水素電池について
構造
図をみてもよくわかりませんよね。でも参考に。
DOS/Vmagzine 9/15より
容量表示
現在最高容量は単3で2100mAh。数値が大きいほど容量が多い。
今後、更に高容量のものが出てくるもよう。
新規に購入する場合、1700mAh以上の電池を選んでおけば良いでしょう。
使用上の注意点
繰り返し使えて経済的なニッケル水素電池も、その性能をフルに発揮させるにはいくつかの注意点がある。
自己放電
電池は使わなくても放電していて徐々に電圧が下がる。これを自己放電という。
どんな電池でも自己放電は起こるが、ニッケル水素電池は特に多く充電後すぐに使うのが理想。
自己放電量は保管温度が高いほど多く、1ケ月後の減る量は
25゜c 2〜3割
40゜c 4割程度
と以外に多い。
自己放電対策と電池を長持ちさせるために
充電した電池は冷蔵庫に入れて保存し、使う前に室温に戻す。
使用済の電池は充電せずそのまま保存し、使用直前に充電する。
DOS/Vmagzine 9/15より
メモリー効果
電池を使い切らずに途中で充電をする使い方を繰り返すと見かけの電池容量が減り、すぐ電池切れになる。
これをメモリー効果という。
ニッカド電池よりも小さいがニッケル水素電池にも起こる。
メモリー効果が出ても電池自体が駄目になったわけではないので、完全放電してから充電する事を数度繰り返すと元に戻る事が多い。
1、2度途中から充電しただけで電池が駄目になることはないので、自己放電した電池に継ぎ足し充電してもかまわない。
メモリー効果を起こさない電池使い切りの目安として残電圧が1.2vで再充電するとメモリー効果が出るが、1.0vならほとんど出ない。
メモリー効果対策
電池は残量が無くなるまで使い切ってから充電するくせをつけよう。
少なくとも10回に1回くらいは完全に電池を使い切る。
DOS/Vmagzine 9/15より
電極の清掃
接点が汚れていると接触抵抗が多くなり電圧が下がって電池切れとみなされる。
接点の汚れによる不調は結構多いので清掃は重要。
乾いた布で電池の両端を良く拭くのが良い。
器具側の接点も同様に拭くが、拭きにくいものは綿棒に無水アルコールをつけて拭く。
ホルダーの形状も重要。ある程度強い圧力で電池を押さえつける必要がある。
長年使って緩んだホルダーはバネを起こして圧力を強くす。
放電
電池が少なくなると撮影後のデーター書込、カメラの終了操作が出来なくなるので、余力を残して早めに電池切れとなるカメラもある。
私の使っているカメラ(MINOLTA DiMAGE7)はかなり早く電池切れになり、撮影出来なくなった電池の電圧を測ってみると1.2V以上ある。このまま充電するとメモリー効果を起こすので強制的に放電してから充電する方が良い。
過放電
電池の放電をやりすぎるとマイナス側まで電池電圧が下がってしまうことがある。こうなると電池にダメージが残り、寿命が短くなる。過放電には気をつけよう。
放電器
電池を完全に放電するには放電器があると便利だが、なぜかあまり市販されておらず手に入れるのが難しい。
懐中電灯などを使って放電する場合、過放電で電池にダメージを与える場合があるので注意が必要。
一般的にはカメラが全く動作しなくなるまで使ってから充電する。
早めに電池切れになる機種では放電器で十分残量を減らしてから充電するのが良い。
残量の確認は市販電池チェッカーやテスターなどで電圧をチェックして行う。
メモリー効果のところで説明されているが、毎回完全放電させる必要はなさそう。
数回〜10回に一度は電池を使い切って充電しよう。
充電について
急速充電器は満充電のときに起こるピーク電圧の低下を検知して充電を終了する。
しかし、この検知がけっこう難しく誤検出することもある。
特に長時間使わなかった電池は充電直後に電圧降下があり、これを満充電と誤認して充電を完了してしまうことがある。
この場合、充電不十分で使用してもすぐ電池切れとなる。
一度放電し再充電すると正常に復帰する。
DOS/Vmagzine 9/15より
再充電
充電後使わずに保存しておいた電池は自己放電で容量が減っている。使用前に再充電するとフルの状態に戻せる。
このような使い方はメモリー効果が心配だが、電池を使い切ればメモリー効果は出ない。
充電器
充電器の性能は重要だが、どの充電器が良いか判別しにくい。
放電機能を持った充電器は電池の性能をフルに発揮できるので理想だが、売っているところも少なく高価。
Ssaitek社製急速充電器 現在、私が使用している充電器。香港製。 ニッケル水素、ニッカド両タイプの充電可。 単一から単四まで充電可能。 強制放電機能付。 充電は全自動。 電池をセットすると充電状況をチェックし、放電の必要ある電池は自動的に放電モードとなり、1Vまで放電する。その後充電モードで充電。充電完了後は自己放電分を補充する。 電池電圧はいつも監視されていてデジタル表示される。 この充電器で充電した電池は下記CASIO製で充電したものより撮影枚数が多くなる。 形状が大きく、携帯には向かない。 電池の性能維持に感心ある人にはお勧め。 価格7000円〜10000円くらい。 購入先サイト http://st5.yahoo.co.jp/nojima/supercharger.html |
|
以前使用していた充電器 CASIO製急速充電器(ニッケル水素単三専用) 小型で携帯には便利。 放電機能は無い。 現在、一般に売られている標準的な充電器。 国内専用と思われる。 |
|
三洋の新充電器は240V対応で海外でも使える。 形も小さく、誤充電を防ぐ回路が組み込まれている。 三洋の電池、充電器は多くのメーカーにOEM提供されている。 新規に買うなら手に入りやすいこの充電器がいいのでは。 |
電池は同じものを一組に
使用する電池は、同メーカー、同容量のものを一組で使う。
複数組使う場合、同じ履歴の物を使用し、新旧混ぜて使うのは良くない。
異る充電状態の電池を一組で使用すると、一番低い電圧の電池は過放電状態になり、電池にダメージが残る。
寒冷地での使用
電池は温度の低いところでは性能が低下し電池容量が減る。
(例)夏は同じ電池でも撮影枚数が多くなるが冬は少ししか撮れない。
冬、特に寒冷地で使用する場合、予備電池を多く用意し、電池を保温して使うと良い。
使わなくても電池は劣化する
ニッケル水素電池は使わなくても劣化で充電してもすぐに電池切れになっていきます。
特に、夏、車の中のような高温化で放置した場合、電池の劣化は早くなる。
電池は何年使えるのか?
ニッケル水素電池の説明書には約500回充電可能とあります。
では年1回充電では500年も使えるのでしょうか?そんなこと考えられませんよね。
下記三洋ソフトエナジーとの対談記事でも使わなくても自然に劣化するので、
何年使えるかはわからないと述べられてます。
取り替えの目安としては、1〜2年は問題なし。良く使う電池なら4〜5年すると高容量な電池が
出てるので買い替え時期に入ったと考えても良いかもしれません。
とにかく、どんどん使って早くもとをとりましょう。
参考資料
DOS/Vmagazine 2001-9-15 荻窪圭が訊く
対談者 三洋電機電池生産部門 ソフトエナジーカンパニー 古川明男氏
参考サイト
荻窪圭氏がまとめたニッケル水素電池にかんする取り扱い方
(すごくわかり易いので是非見てください)
混沌の屋形船Direct:電池の話をしよう
三洋ソフトエナジー
http://www.sanyo.co.jp/energy/faq1.htm
バッテリー情報
http://www.nsknet.or.jp/~a-ogi/dimage7/newpage1.htm
デジタルカメラの電源電池について
http://member.nifty.ne.jp/GaK/camera/d7_004.htm
発行ダイオードでの放電器(マニア向)
http://www.wince.ne.jp/faqdb/ceFAQView.asp?PID=305
電池について
http://www.sandan.net/gear/battery/battery.html
文責:藤村敬彦